ヤギ編集者です。
昨年11/22出発以来、2ヶ月と少しの旅からいま帰国しました。サウジ→バーレーン→ドバイ→ロンドン→ニューヨーク→成田の行程。西周りでぐるり帰ってきました。

最後のニューヨークでは朝/夜のマンハッタンを初めて見ましたがアメリカ苦手なヤギ編集者ではありますが、もう少しアメリカを見てみようか、と思うきっかけになりました。(個人的には海外で中東が一番しっくり来ますが。。。)
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さて到着して、まず日本はというとそれはそれは寒い。以外に知られていませんがサウジも朝は霜がはるほど寒いのではありますが、日中の気温は日本よりも暖かい。ということで今シーズン初の冬日。こんなんでスノボとかにいけるのだろうか…。

さて今回は通算地球6周目の旅でしたが、年越しもあり自炊をした海外滞在でしたので、これまで以上に記憶に残ると思います。サウジ滞在最終週に炊き込みご飯を作りましたが、自炊のプロに生姜と唐辛子をいれるようアドバイスを貰い、これが本当においしかったです。
炊き込み


2ヶ月と少しの期間で移動は54,000km(内車:約6,000km)と地球約1.4周分。今回もバタバタと動いた日々でしたが、その中でも特にイスラムの聖地であるサウジで文化の違いを受け入れ、耐え忍ぶ日々と、1日の終わり毎日見たサウジでの美しい夕陽、でしょうか。

受け入れ耐え忍ぶについては興味のある方はイスラムについてその解説をしている本も出ていますのでご参考にリンクを。
池上彰の講義の時間 高校生からわかるイスラム世界池上彰の講義の時間 高校生からわかるイスラム世界
著者:池上 彰
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日本や他の国を基準に考えると文化の差は非常に大きいです。普段は知りえない世界という感覚ですが、気付きもしばしばあり、考えさせられることが非常に多かったように思います。達感するにはまだまだ若輩者、難しさを感じました。

そして夕陽、サウジにいる間どこで見ても美しかったです。

ジュベール
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ヤンブー
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ジェッダ
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コーズウェイ
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しかし心が癒されたり感動したりということは正直全くありませんでした。なぜだろうか、と夕陽を眺めている際に思いましたが、全く感情が沸いてきません。これが耐え忍ぶ日々の影響ではないかと思います。人間の環境適応性の1つ、厳しい中にいるとそこに順応して、感情も抑制されているのではないかと思っています。でも、ただ美しいと思うことは出来たということでしょう。美しいという認識は感情を伴わないこともある、のでしょうか。

滞在を終え、最後にサウジを出てバーレーン側のコーズウェイから見た時も感動はありませんが、ただ一番美しく感じました。
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http://youtu.be/Ec-bP-IeKh0

サウジにいる間は現地の友人とよく話しをしてお互いの文化を交換したのですが、中東にはニヒリズムに通ずる言葉が古くから伝承されていて、非常に興味深かったです。

رضا الناس غاية لا تدرك
Satisfying all people is a goal that can not be achievable.
全ての人を満足させるのは達成不可能な目標である。

例え話を交えて言い伝えられているのですが、親と子そして動物が一緒に歩いて村を訪ねた際に村人から『子を歩かせるなんて、動物に乗せてあげるべきだ』といわれ子は動物に乗り、親と子そして動物は次の村を訪ねました。その村人から『親を歩かせるなんて、子が歩くべきだ』と。親は動物に乗り、子は歩き次の村を訪ねました。その村人から『動物に乗るなんて、自分の足で歩くべきだ』といわれました。

絶対の解は無いということをサウジの人は伝承していたことに驚きました。何年頃の誰がいった言葉なのか、友人に調べて貰いましたが分かりませんでした。哲学におけるニヒリズムにサウジの人々はどこかで到達していたのに驚きましたし、世界は広いなあと。

一方東大の博士課程の研究については滞在中色々とありました。エンジニアに集中する中で研究ミッションあった『イノベーションを誰の手からも』、これ実は研究で明らかになる部類の話ではないだろうという考えに至りました。

イノベーションについて明らかになるのはどれも一般的なことが限界ではないか。過去のイノベーション事例を考察したものから必要な要素が述べられていますがToo generalな感じ。要はそれはそうだけど、になる。そうしたところでイノベーションが誰の手から簡単に起きるわけがない。であればそれって社会に本当に役立つ研究なのかって。

詳細かつ具体的なものとして手法に落とし込んで皆で簡単にというような魔法の道具はあるはずがないだろう。これに自分の考えが辿り着いて少し落ち着きました、期待と現場での感覚のズレがあったからです。研究ゴールを具体的な手法開発にしていたので、これはそれ自体にも無理があるし、社会への貢献も難しいでしょう。現場に来た甲斐があった、大学に行けない時期が続きましたが、収穫はありました。

こういう境地でまたとある読み物があったのですが、エジソンの名言として有名な『天才は1%のひらめきと99%の汗』は取材した記者が書き換えた言葉であって、後年エジソンはその主旨を『1%のひらめきが無ければ99%の努力は無駄である』と語ったとされていると。ライバルのニコラ・テスラはさらに『天才は99%の努力を無にする、1%のひらめきのこと』とも述べており、同じ境地であるといえます。

ただこれを鵜呑みにするのではなくて、イノベーションに必要なことは99%の努力から1%のひらめきが生まれる、という風に解釈出来るだろうと。精神論のように感じられるかも知れませんが、要は簡単ではないし、99%も努力してない場合の方が多いのではということ。

慶應SDMの2年間を振り返ると、まさにそう思います。努力し続けてようやく気付きのある答えが出る。魔法の手法があるわけではありません。ただ手法から出ると信じるのであれば出ることもある、出るまで我慢して続けるから、という感じ。

これが実は本質的な部分なのかなと。

すごいアイディアパーソンと呼ばれる人がいますが、
そういう人に自分がなれないと思っていては始まりません。そのアイディアパーソンと同じだけ深く粘り強く考えてはいるだろうか、、、、。

今回現場ではあきらめずに毎日を過ごしてきましたのでこのような考えに至る手応えがありました。その意味で厳しくも充実した日々でした。


今日は少し長くなってしまいました。では皆さんと新年のご挨拶が出来るのを楽しみにしています。では恒例の帰国後家系ラーメンに向かいます(笑)。

最後


ヤギ編集者